2021.10.26
南紀熊野ジオパーク探偵団の発足と探求活動開始について
南紀熊野ジオパークをフィールドとした探究活動を通じて、地元が抱える様々な課題解決に向け、自立的に考え行動する次世代を担う若い世代を育成するプログラムとして、南紀熊野ジオパーク探偵団(団長:東 垣)が発足しました。
このたび、10月16日に、仁坂吉伸南紀熊野ジオパーク推進協議会会長、井澗誠白浜町長が臨席のもと、ジオサイトの一つである白浜町志原海岸に32名の和歌山県内の中高生が団員として出席し「発足式」が敢行されました。この式典では、仁坂会長からの挨拶、探偵団団長からの決意表明と町長からの激励の挨拶を受け、あわせて参加した団員ひとり一人に仁坂会長から団員証と探偵団手帳が手渡されました(写真1)。

(写真1)発足式で仁坂会長から団員証を受け取る団員達
式典終了後、団員の皆さんは、島村道代博士(京都大学学際融合教育研究推進センター特定講師)の指導のもと、本年度のジオパーク探偵団第一回の現地活動として志原海岸に漂着した人間由来のごみ(以下、人為起源ごみ)の調査に挑戦しました。具体的には、志原海岸を対象として、ペットボトルや食品包装、ビン・缶など様々なごみを採取・分類しながら個数を数え、この場所での人為起源ごみの特徴を調べました(写真2)。

(写真2)志原海岸での海ごみを採取する団員
参加した団員の皆さんは、現地調査を終え(写真3)、今後の活動を楽しみに皆さん笑顔で帰路に着きました。

(写真3)志原海岸での採取成果
翌17日には紀伊半島の東側に位置する新宮市三輪崎海岸で、別の団員7名による第2回目の海岸調査が行われました(写真4)。

(写真4)三輪崎海岸での袋を持ってのグループ写真
この地点のごみは、ペットボトルがとても多く、食品包装のプラスティック破片が多いことや中国語表記のペットボトル(写真5)を見つけたりと様々な発見がありました。

(写真5)中国語の表装があるペットボトル
今回の海岸2地点での現地調査活動を終え、採取した人為起源ごみを定量的に分類するとともに、和歌山大学など研究機関の研究者からの助言を受け、国内の他の場所とごみの種類や個数の比較分析を進めることで、和歌山のプラスティックを中心とした人為起源ごみの特徴やごみの出所についても考察を進め、その成果を発信する活動を続けます。
今後のジオパーク探偵団の探究活動にご期待ください。