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ジオと関わりの深い食べ物を、ジオフードと呼んでいます。
ここでは、南紀熊野の代表的なジオフードを紹介します。

茶がゆ

茶がゆ

平野の少ない南紀熊野では、米は貴重であり、そのため、番茶を使った「かゆ」にして食べました。茶は朝霧深い熊野の山間には適しており、自家栽培している上、白がゆに比べさらっとしており、時間がたっても美味しく食べられることから、一般的に食べられてきました。


めはりずし

めはりずし

大きなにぎり飯をつくって、塩漬けした高菜の葉で包んだのが「めはりずし」です。

筏師や山仕事をする人達が、手軽に食べられることから、良く食べられていました。

食べるときに、にぎり飯が大きいので、口ばかりでなく目まではって食べることから名付けられたという説もあります。


サンマ寿司

サンマ寿司

サンマ寿司は、秋から冬にかけて三陸沖から熊野灘に南下するうち、脂肪が抜けてさっぱりとした味になったサンマをカシラ(頭)をつけたまま開き、ダイダイ酢でしめ、すし飯を抱かせた姿ずしです。

新宮市出身の作家・佐藤春夫は、「あはれ 秋風よ 情(こころ)あらば伝へてよ 男ありて 今日の夕餉(ゆうげ)に ひとり さんまを食(くら)ひて 思ひにふける と。」と歌った「秋刀魚の歌」を残しました。


マグロ

マグロ

紀伊半島で漁獲されるマグロは、生で水揚げされるため、鮮度がよく、美味。特に、勝浦漁港(那智勝浦町)は日本有数の生マグロの水揚げ基地として有名です。

周辺の料理店や宿泊施設では、地元ならではの新鮮で活きのいいマグロを食べることができます。

【旬:12月~3月】


かつお

かつお

船を走らせながら、疑似餌でカツオを釣り上げる「ケンケン漁」という漁法で釣り上げます。「ケンケン漁」とは、明治時代にハワイから伝わった引縄漁法で、現地の言葉で「ケンケン」と呼ばれていたことに由来するという説があります。

ケンケン漁で釣り上げたかつおは、直ちに活け締めにした上で血抜きをし、水氷(海水に氷を浮かべたもの)に頭から突っ込んで、沖合いから短時間で市場に運ばれてきます。丁寧に放血され、氷温に保たれたかつおの身は、脂が乗っているにもかかわらずさっぱりとした食感と舌にまつわりつくような旨みがあり、地元では、一般的な“たたき”よりもそのまま刺身で食べる方が好まれます。

【旬:2月~6月、10月】


ウツボ

ウツボ

うつぼは、ゼラチン質を多く含み旨味があるものの、小骨が多いことから捌くのが難しく、日本では、南紀熊野を含むごく一部地域でのみ食材として流通しています。鍋、たたき、唐揚げなどで食べられます。

冬場多く漁獲され、干物にするため三角に開かれた状態のウツボが寒風に揺れている様子は南紀熊野地方の風物詩です。また、干したものを揚げ煮にした佃煮は名産品となっています。

【旬:12~2月】


熊野牛

熊野牛

熊野牛は、その名のとおり和歌山県南部「熊野地方」で古くから飼われていた和牛で、農耕用の貴重な労働力として活躍していました。元々優秀な能力と由緒を持っている熊野牛は、選び抜かれた血統を取り入れた品種改良により和歌山県特産の高級和牛「熊野牛ブランド」が誕生しました。

その肉質は、きめ細やかで柔らかく、味香ばしく、肉そのものの風味に優れています。さらに、焼いたときの芳しい香りの良さも熊野牛ならではの魅力です。


イノブタ

イノブタ

イノブタは、猪を父、豚を母として1970年にすさみ町で誕生しました。デュロック種またはバークシャー種の母豚に雄イノシシをかけ合わせたF1イノブタと、デュロック種またはバークシャー種の母豚に雄のF1イノブタをかけ合わせたB1イノブタがあります。

イノブタ肉は、猪肉の風味をもちながら、柔らかくクセのない美味なお肉で、すき焼き、水煮などの鍋料理から、焼肉、ステーキなどでお楽しみいただけます。


じゃばら

じゃばら

じゃばらという名前は、「邪」を「祓う」ことから名付けられたといわれています。

日本で唯一村全体が飛び地の村、北山村に一本だけ自生していた柑橘類の自然交雑種です。調査により、世界に類のないまったく新しい品種であることが判明したため、規模を拡大。その後、インターネットで人気が出て、村では、じゃばらドリンクやじゃばらポン酢など約20種類の商品化を図って販売し、年間2億円以上を売り上げる、村の特産品となりました。


篠尾のこんにゃく

篠尾のこんにゃく

篠尾のこんにゃくは、和玉と呼ばれる日本古来の在来種のこんにゃく芋から作られます。和玉は、日光に弱く、また水はけの良いところでないと大きくなりません。

現在の集落よりもさらに100m以上登った山の上の緩斜面に、昔のこんにゃく畑があり、年間1トン以上のこんにゃく芋が作られていました。この場所は、かつて地すべりが起こって斜面が緩くなったところです。そのため、水は表面を流れずもっと深いところを流れるため、水はけが良く、さらに東向き斜面であるため、昼すぎには影になる、という和玉の栽培に適している土地でした。

現在は、その場所は杉林に替わってしまい、集落近くで栽培されていますが、こんにゃくの製法は、昔ながらの方法です。くさみがなく、刺身で食べることができますが、収穫量が少ないため、「幻のこんにゃく」とも言われています。